変妖ハンター

新拡張『ダークムーンフェアへの招待状』がリリースされて早3日。自分は新拡張が発売されるとラダーよりも先に闘技場を遊ぶのがいつものパターンになっている

 

資産確保の意味合いも大きいし何より、闘技場はそこでしか気づかないような新カードのパワー、シナジー、ギミック等の新しい発見に遭遇しやすいからだ

 

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しかし、闘技場でパワーを感じたカードであっても実際の構築戦ではそんなに強くない事が多いのもお決まりである。通常の構築よりもデッキのパワーが相当劣るが故に『このカード強いんじゃね?』と考えてしまいがちで、実際にはマナコストが重い、とか構築でもやれるけど他のカードの方が強いよね、発見で出たら強いかも!みたいな着地点に落ち着く。そして多くのカードは構築戦で日の目を見ることなく『闘技場の覇者』としてスタンダードの生涯を終える

決してこれは悪いことではなく、そもそも刷られたカードとして居場所があること自体恵まれているし、アリーナプレイヤーから恐怖の対象として認識されるのもミニオン冥利に尽きるはずである。そもそもデッキパワーが構築戦よりも低いからこそカードに対して新たな発見が生まれるとも言える

 

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《ボーンメア》は当時7マナであり、アリーナでもぶっ壊れの一枚だった。7ターン目までにミニオンを残すとミニオンが強化される上、自身は挑発の後ろで5/5というボディを如何なく活かすことができる。珍しいことに構築でも使われた一枚でかつての【ケレセスローグ】などが本体のスタッツの物足りなさを補ったうえで暴れ散らかしていた

《ピット・クロコリスク》はアリーナでの《北海のクラーケン》の強さを知っている人からすれば目ん玉が飛び出るミニオン。クラーケンよりも1マナ低いのに打点が1点多い。普段アリーナをプレイしない人でも8マナと9マナのこの1マナ差がどれほど大きいか分かるだろう。10マナならヒロパも一緒に撃てる。このミニオンは遊ぼうと思えばそこそこ楽しめる一枚で、【クエストシャーマン】であればさながら《パイロブラスト》のような動きをするし、獣なのでハンターであればマナが減ったりコピーして増やすこともできる

《双暴帝》は最近のアリーナにおける8ターン目にプレイされる最強の一枚だ。『双暴帝ケア』としてこちらのミニオンの体力は出来る限り4以下にならないよう立ち回る必要があったし、そもそも能力に対して体力10が固すぎて強いという一枚。しかし構築では一切お目にかからないと言ってもよく、除去の強い構築においてはマナの重さとパンチの無さがネックであり、典型的なアリーナ番長である

 

 

本題に入ろう、そんな中今回の新カードたちの中で私が注目したのはこの2枚だ

 

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《フリートフーフ・パールタスク》は変妖をすると5マナでありながら8/8急襲という破格の生物となる。かつて《アマニの戦熊》が7/5/7急襲挑発としてアリーナで強かった事からこの像がまさに化け物であることが分かる

《クレーンゲーム》は急襲で相手のミニオンをほぼ倒すことができ、且つ後続の確保とそのミニオンのバフという役割を1枚でこなすとんでもミニオンだ。分かりやすくカード単体でアドバンテージを生み出しており、アリーナにおいてはかなり重い一手となる

 

 

私は実際にこれらをアリーナで使い、そして使われた結果、この2枚に構築でも輝ける可能性を感じた

 

 

 

beerbrick.com

 

上記のようなリストがある。《石牙のイノシシ》を《屑鉄弾》や《クズ拾いの工夫》などで強化し、《ラムカーヘンの野獣調教師》、《狩猟団》で増やしバーストを狙うコンセプトだ。如何にもおもちゃ感あふれる《狩猟団》の能力を最大限活かすデッキになっている。序盤からアグレッシブに攻めることでイノシシバフ→コピー→プレイまでの時間がかかるコンボのハードルを下げている形になっており、《爆熱バトルメイジ》や《封印されしフェルモー》等でダメージを稼ぐことでコンボの弱点をカバーすることでデッキとして成立している

 

これをベースにデッキを作ってみた。そして何度か改良を経て出来たのが下記のリストだ

 

 

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コンセプトとしては新カードの《フリートフーフ・パールタスク》、《クレーンゲーム》を使うのは確定で、せっかくなら新要素である{変妖}も活かしたかった

 

主なバースト手段は10ターン目などのマナが多い状態で《ツンドラサイ》と獣2体で突撃してダメージをだす。最速を狙うのであれば《ビーストマスター・レオロックス》でバフの乗った《ツンドラサイ》を含めた獣3体でバーストを狙う。デッキの流れは採用カードの説明を以て解説する

 

ドワーフの狙撃手

序盤を凌ぐ最高の1マナ。このデッキは速度の早いデッキや横並びに滅法弱い。ちなみにシャーマンに対して1t狙撃手をプレイしたところ3ターン目に相手が爆発した

智慧の宝珠

コンボデッキのお供。《エサをあげないでね》は素引きしないといけない上に一枚はなんとしてでもプレイしたいので採用

▪歴死学の予習

このデッキは2ターン目の動きが無いので先手であれば《クマトロン》をプレイすることができるようになる。また同様に5ターン目もアクションがないので、《クレーンゲーム》や《ホロボシトロン》のマナが5になることで隙を埋めることが出来る

 

▪エサをあげないでね

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新カードで変妖、使わないわけにはいかない。事前評価の段階では正直全然強くないと思っていたし実際に今後も使われるとは思っていない。このカードの良い点は以前のイノシシ型のようにイノシシにバフ→コピーで増やすという手順を踏む必要がないこと。あのデッキはバフをする前にコピーすることはご法度なので(1/1突撃が増えるだけ)その点で優秀である。増やしてからバフが出来るというのはゲームに柔軟性も持たらすことが出来る

 

▪クズ拾いの工夫

2ターン目の数少ないムーブでありサーチ兼バフ。ミニオンを引き増すことで《エサをあげないでね》を引きやすくなる

▪クマトロン

エンジンその1。《クレーンゲーム》や《ホロボシトロン》をサーチ。主に前者

▪ラムカーヘンの野獣調教師

コピー枠。増やしたいのは《フリートフーフ・パールタスク(以下、変妖像)》。《ツンドラサイ》が増えても除去として1枚は使えるようになる

▪急降下グリフォン

エンジンその2、及び除去。《変容像》と《頂点捕食者ジクソール》、《クレーンゲーム》サーチ。引きたいのは像→クレーン→転生ジクソール→頂点ジクソールの順。3ターン目に《クマトロン》と《急降下グリフォン》がいる場合先にプレイするのは《クマトロン》。理由は《クマトロン》で《クレーンゲーム》を引きたいから

▪砂漠の槍

序盤耐える用。《智慧の宝珠》があるので武器は使いたくないが獣も急襲も増やしたくないので採用。《ツンドラサイ》がいればイナゴも走る

▪頂点捕食者ジクソール

ほぼ除去用。《転生ジクソール》にバフが乗るとバフの値×4の打点向上が見込めるので、《スカーレット・ウェブウィーバー》でマナコストを下げれば《ツンドラサイ(こっちでもいい)》でバーストが出るのは大事

▪脱走したマナセイバー

縁の下の化け物。5ターン目に動きがない点を解消できる奇跡の一枚。先述した《歴死学の予習》であれば確かに6マナのメカをプレイできるが一つ問題があり、それは《変妖像》が変妖しないということ5マナになった《クレーンゲーム》で6マナを引ければいいが、5マナの《ホロボシトロン》をプレイすると手札の《クレーンゲーム》が場に出るので像が変妖しない場合がある。マナセイバーはこれを解消できる

ツンドラサイ

数少ないスタンダード突撃生存枠。《エサをあげないでね》のバフも当然受ける

 

▪フリートフーフ・パールタスク

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5マナというのが憎いデザインで、10マナあれば《ツンドラサイ》+《変妖像》×2が可能。自身で成長する点は要介護の《石牙のイノシシ》とは覚悟の表れが違う。こいつは自分で成長できる男。《エサをあげないでね》を絡めれば5/10/10。《キングクラッシュ》君、巣に帰ろうか

ちなみにマリゴス型によく見られるバースト系コンボデッキ特有の『ダメージソースはリーサルまでプレイできない問題』はこの像には当てはまらない。獣のバフは《エサをあげないでね》が他の獣にもしてくれるし、《クレーンゲーム》もその役割を担う。そしてなんといっても彼には旧神の加護がついている

 

▪クレーンゲーム

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エンジンその3及び除去兼バフ。能力盛りすぎじゃないか?昔ならカードを引いて、それがミニオンであればバフとかになってそう。アリーナで1枚は欲しい。種族までパーフェクトであり、6マナなので像が変妖できる。あと見た目が可愛い

 

▪スカーレット・ウェブウィーバー

マストプレイながらこれもまた像が変妖する上に獣なのでバフを受ける。この辺でデッキの締まり具合に気持ちよくなってくる頃

▪ホロボシトロン

ほぼ錆かけの古代兵器。《クレーンゲーム》を握っていれば2ドローと+3/+3が2回で美味しい。《クマトロン》のサーチ先が《クレーンゲーム》だけだと具合が悪いので採用。こいつも6マナ断末魔なので《歴死学の予習》と変妖のトリガーになる。たまらん

▪ビーストマスター・レオロックス

一度デッキの構成から抜けて帰ってきた。というのも現時点での環境がかなり早めな上に十分運用可能だと判断した。一度抜いた理由としては上述したようなリーサルまでコンボパーツ切れない問題を抱えているため。レオロックスを使う場合は《エサをあげないでね》を既にプレイしていないと弱い

ラムカーヘン、変妖バフ、サイ、変妖像×2を8ターン目までに揃えられたら凄い。Daily Hearthstone行きは固い。ちなみにこのコンボであれば24点でる

 

▪背徳の魔手ヤシャラージュ

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帰ってきた旧神が一柱。既に使用した《変妖像》を再度回収することと《エサをあげないでね》でもう一度+2/+2バフが出来る。回収した《変容像》は0マナながら使わない方が良いが、他に《ツンドラサイ》を含めて獣が3体ほどいれば使う事もできる。このデッキのアイドル枠。先述したコンボパーツである変妖像プレイできない問題を解消しつつ、バーストの打点の上積みが出来る




▪最後に

魔素はややお高めとなっているが、かなりドローサイクルが回りつつバフができるこのデッキは回してみるとかなり楽しい仕上がりになっているので余裕がある人は回してみてほしい。以下はバーストはこんな感じででるよ~みたいな例。Twitchでよく深夜に配信をしてるので是非見に来てくだちい。ここまで読んで頂きAzashita!

 

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